2025/04/26 13:57

「再春館製薬の工場見学のバスツアーに行かない?」。

再春館製薬といえば、あのドモホルンリンクルを作っている会社だ。
そういえばドモホルンリンクルは九州で作られてたなぁ、とぼんやり思いながら、友人の誘いにすぐにOKをした。
面白そうな事は参加をする。
それが私だ。

しかし、楽しみにしていたバスツアーも蓋を開けて見ると、応募人数が足りず、イベントは流れてしまった。
再春館製薬に行けないと思うと、行きたくなるのが人間の性(さが)だ。
どうにかして行けないものかと思い友人と調べた結果、なんと個人でも工場見学の申し込みができるらしい。

すぐに私とS氏、Y氏の3人の名前をスマホに打ち込み、工場見学の申し込みをした。

そして、来たる4月某日、私たち3人は車で熊本に向かっていた。
工場見学は14時からなので、それまで少し時間がある。
そのため、私の希望で『古本と新刊 scene』に行く事にした。

いきなりだが、同業者の方に聞きたい。
自分が本屋をしていて、他の個人書店に行った時にすぐ名乗りますか?
それとも名乗らずあくまで客として過ごしますか?
それとも最後に名乗りますか?
この質問でいうと、私は一番最後に名乗る派だ。

私は、どうも人様の本屋で、自分が本屋をしている事を名乗れない質(たち)なのだ。
なんか恥ずかしいような照れ臭いような・・・くすぐったい気持ちになって、中々言えない。

そのため、sceneで私は本屋をしているという事を会計の時まで一切言わなかった。
会計時に、恐る恐る「実は、私・・・本屋を・・・」と小さな声で伝えるのがお決まりのパターンだ。
今回も、いつも通り恐る恐る伝えてみた。

いつまで経っても名乗らない私を見て、Y氏は「いつ言うんだろう?時間がないから早く名乗れよ」と思っていたらしい。
本を数冊購入し、名残惜しい気持ち(私は名残惜しい気持ちでしたが、sceneの店主さん、どうでしたか?私ともっと話したいと思いましたか?)でsceneを後にする。

ちなみに、sceneの店主さんに再春館製薬に行く事を伝えると、「それは本と関係が・・・?」と不思議そうな顔で聞いてきたので、
元気よく「ありません」と答えた。
あったらよかったのだが、残念な事に本と再春館製薬は全く関係がないのだ。

さぁ!本も買えたし、いざ再春館製薬へ!と元気よく出発。

sceneから車で20分ほど走り、無事再春館製薬へ。
再春館製薬を見てまず思ったのが、敷地内がありえないほど広い。

大分県の場所で例えると、まるでアフリカンサファリのように広いのだ。
入口から駐車場までしばらく車で走っていると、カラスがたくさんいる事に気づいた。
ちょうど空も曇っていた事もあり、まるで魔王の城に来たような雰囲気が漂っている。

心の中で「ドラクエの世界に来ちゃってないかな?」と何度も確認しながら、私はカラスの群れをぼんやりと眺めていた。

いざ!熊本へ!②へ続く!