2025/01/21 21:05
小学館からでている小説雑誌:GOAT(ゴート)が人気だ。
中身は豪華だが、値段は格安の510円。
物価高の今、この値段には驚くばかりである。
鯛文庫でも7冊仕入れて(1冊は私のものにした)、もう4冊も売れている。
始めたばかりの小さな本屋でこの売れ行きは、とても良いと言えるだろう。
ゴートをパラパラとめくると、カバーギャラリーというコーナーがあった。
創刊号の今号は『世界の中心で愛を叫ぶ』である。
映画には長澤まさみ、ドラマには綾瀬はるかが主人公にもなったあの名作だ。
ちなみにゴートのカバーギャラリーとはなんぞや?という方もいると思うが、
詳細はぜひゴートを購入して確かめてほしい。
さて、私はこの『世界の中心で愛を叫ぶ』にとても感動させられた読者の一人である。
この本を読んだのは、私が中学2年生の14歳の時だ。
確か当時は、長澤まさみ主演で映画化もされ、メディアでも『セカチュー』という言葉が
流行語になりつつあった。
そしてこの本、絶対に泣ける1冊と言われていたのだ。
当時、私はかなりの天邪鬼だったため、
「絶対泣ける?んじゃ私の事も泣かせてみ〜や〜」と
中二病丸出しな気持ちでこの本を読み始めた。
世間でも評判の小説という事だけあって、とても面白い。
私の心の中は、すぐに主人公のアキとサクの切ない恋物語一色に
染まっていった。
そして・・・。
泣いた。
というか泣くを通り越して、
自分がサクになったようにアキの名前を呼びながら号泣していた。
アキィ〜、アキィ〜。
開いたページの上にポタポタとしょっぱい涙が落ちる。
本を読み終わる頃には、
「絶対泣ける?んじゃ私の事も泣かせてみ〜や〜」なんていう思いは微塵もなかった。
これ以降も私は、本で涙を流す事はあるが、
この時のように大声で泣いた事はない。
このブログを書いている最中、
久しぶりに『世界の中心で愛を叫ぶ』が読みたくなった。
明日、バイトの帰りに買って帰ろうかな。
大人になった今読んでもあの時みたいに泣けるだろうか?
自分の感情の変化を本で試すのも面白そうである。
鯛文庫店主:後藤